留袖を探していらっしゃるS様。先日ご紹介でおかだやに来てくださいました。
オーダーで着物を作るなんて出来ると思っていらっしゃらなかったS様、色々お話したり、今ある着物を見ていただいたりしました。
そして本日、お嬢様と来てくださいました。その手には着物の本が。色々知る為に本を探してくださったそうです。
また、お手製のカレンダーもお持ちくださいました。そのカレンダーにはお好きな花が。
「この花とこの花を入れて欲しいです。」「こんな感じの鳳凰を入れるのはどうでしょう。」
どんな柄にしたいか、考えてきてくださいました。ありがたいことです。
そこで、先日出来上がった付下と振袖を見ていただきました。どんな想いが入っているのか、どうしてこの柄なのか。また、一珍糊の技法なども見ていただきました。
初めて誂えの着物をご覧になられたお嬢様、大変興味を持ってくださり、留袖の柄についても色々想いを伝えてくださいました。
「鳳凰は父のイメージで。威厳があるのだけど大きく包み込んでくれる温かさ、優しさがある感じがいい。」「狛犬は母のイメージで。可愛いのだけど芯がある雰囲気がいい」「ひまわりを入れるのは変ですか?」様々なお気持ちを聞かせてくださいました。
じっくりお話させていただく中で、お母様の想い、お嬢様の想いが伝わってきます。
「鳳凰は女性、狛犬は男性ということが多いけど、逆でいいですか?」
「このままでいいです!」
即答でした。楽しいお嬢様です。
こんな感じが好き、こんな感じにしてほしいという資料をいくつかいただきました。
今後もブログで紹介させていただく予定です。ぜひご覧ください。
留袖を誂えることになったS様。先日お伺いしたお話を元にイメージ画を書いてみました。
「鳳凰は父のイメージで。威厳があるのだけど大きく包み込んでくれる温かさ、優しさがある感じがいい。」「狛犬は母のイメージで。可愛いのだけど芯がある雰囲気がいい」「ひまわりを入れるのは変ですか?」様々なお気持ちをいれてみました。
今日お越し下さり見てくださいました。
「わぁ、すごい」「話してたものが入ってる!」
S様もお嬢様も大変喜んでくださいました。
ひまわりはお持ちの携帯カバーを参考に描かせていただく予定です。
書く花の数も考えて書いています。
「狛犬をこの角度で書いてもらうことはできますか?」
「このイメージ画だと書けないのですが、ここはぼかした感じになります。」
色々とここでもお話させていただきました。
そしてまだこれから変わっていきます。
続けて紹介させていただきます。ぜひご覧ください。
留袖を誂えられるS様。その後も色々考えてくださり、「花車を入れることはできますか?」と連絡をくださいました。
以前のイメージ画はこちら。
今回ご覧いただいたイメージ画はこちら。
花車を描きいれました。
「うわぁ。良いですね。」「私がお花が好きというのを考えて描いてくださったんですね」と大変喜んでくださいました。
一緒に見に来てくださるお嬢様。「この枠はなくしたらおかしいですか?」「これは描きいれたらどうですか?」と色々提案してくださいます。
「思い浮かんでくるけど描いたり形にするのはできなかった。こうやって形になるのってすごいです!」と仰ってくださいました。
お花のイメージにと写真を撮ってきてくださいました。
「育てられてるんですか?!」
「いえいえ、ご近所です」
上の写真の可愛いお花、ランタナ、和名で「七変化」というお花だそうです。小さな花がまとまって咲いているのがそうです。アジサイのようですが全く別の種類だそうです。
正倉院文様も入れて欲しいとのことで写真を送ってくださるそうです。
書き切れないくらいお話をさせていただきました。
また続きをご紹介させていただきます。
S様の留袖のお誂えの続きです。
唐獅子を3体にして欲しいとのこと。お母様、長女様、次女様を表し、お父様の鳳凰と合わせて「家族」が描かれた留袖にという想いからです。
新たなイメージ画がこちら。
ご希望だった正倉院文様を上前(左の下)に描いたのですが、他とのバランスがどうもしっくりこない。つながりも難しい。
「では扇を描いて、その中に華紋は?」扇の中に花を描くと周りの花とのバランスが良くない。
「松を扇に変えるのは大丈夫だが、扇はよくある柄ですよね」
「あさがおはどうですか?妹が唯一入れたらと言ってたので」
ご希望や想いを伺い、その都度どうしたら良いか考えます。
そんな中、鳳凰の枠を目立たせないように枠の右下半分花を描いていたのですが、目立たせた方が良いとのことで黒くし花も変えました。
矢印のところです。細かいことですが、大きく変わってきます。
仰られることを全て入れたいというのもあるのですが、全体のバランスを考え、柄が相乗効果でお互いに引き立たせるようにしていかなければなりません。
帰り際、お持ちの本をご覧になられて、寿の字を飾り文字のようにしているのを見つけられ、これを入れたらどうかと新たにご提案がありました。
これを入れると全体を大きく変更しなければならないかもしれません。
が、やってみようと思います。
続けてご紹介させていただきます。
果たしてどのような図案になるでしょうか。
長いことおまたせしてますS様の留袖の続きです。
前回、「寿の文字をいれたら?」とご提案を頂いたところまででした。
上前、衽の上部に寿をいれてみました。
画像をよく見てみると、、
寿と花が入れ替わっただけでなく全体が変わってるのがわかりますか?
鳳凰の位置も衽線にかかっていたのが右にズレ、描かれていた花も変わっています。
衽の裾のところは娘さんのご希望の朝顔に(^^)
なにか1つ変えようと思うとバランスをみて全体が変わっていくことはしばしば。
その都度どうですか?と伺い、コミュニケーションをとりながらつくっていきます。
イメージ画のはこれでいいとS様に了解を頂き、今度は作家が原寸下絵を描いて貰います。
実際の下絵↓
写真だとサイズ感はわかりませんね(^^;)
この下絵をもとに着物をつくるので精密に描かれていますね。
作家もイメージ画を元に考えながら下絵を描き起こします。
なのでイメージ画とは変わってくるところも…
例えば寿の文字が細い線になっています。作家に意図を聞けば、「箔を使うなら面積が大きくないほうが野暮ったくない」とのこと。相談しながら修正をかけていきます。
作家の意見も尊重しつつ、やっぱり、、というところは手直しをいれます。
調整をしていき、ここまでで下絵は完成です。
あとは染め上がってくるのを待つだけ!
…ですが、この着物は黒留袖です。五ツ紋をいれるのですが、そこでおかだやからの提案が…
また次回、ご紹介します(^.^)
2020.06.06
オーダーメイドならではの先紋
黒留袖には格の一番高い五つ紋を入れます。
背中の真ん中と両袖の後、前の左右胸の位置と5つ入ります。
市販の留袖の紋の位置がどうなってるか見たことありますか?
まだ買い手がついてない間はどんな紋が入っても良いように紋位置を白く丸で抜いてあります。
それを石持(こくもち)といいます。後から紋を描き込めるようにしてあるんですね^^
ですが、
おかだやの留袖はゼロからのオーダーメイドです!
生地を染める前からお客様の紋は決まっているので先紋ができるのです〜!
先紋(伏紋)とは白生地の段階で紋の部分に染まらないように糊を置いて生地を染め上げることをいいます。
初めは石持でも先紋でも見た目には変わらないですが、
何十年と経つと石持はやっぱり後から描いたところと地色に少し差が出てきます。
おかだやは何十年と孫子の代まで引き継いでもらえる着物を、、と考えて日々着物をつくっているので先を見通して先紋のお勧めをしています。
紋を伏せるのもその専門の職人がいます。細か〜い小さい紋の型を彫って正確に伏せる特別な技術です。
先紋であるというのはオーダーメイドでつくった着物だという証拠でもあります。
良い着物をオーダーでつくったと代々、子に伝えて大事にしていただきたいですね^^
この度のS様の留袖、シルクロードの留袖のS様(どちらもS様でしたね。。)
先紋で留袖をつくっています。
今回のこの2枚の留袖は「もう一工夫」、紋にこだわりがあります・・・😉
それはまた次回、紹介しますね!
戻る