ブログ

2019.02.08

取れてしまった金を入れることに

この度成人を迎えられたお嬢様。

こちらのお嬢様のおばあさまが成人を迎えられた時に、おばあさまのおばあさまが誂えてくださった振袖だそうです。
お嬢様の高祖母様(ひいひいおばあさま)の想いをおばあさま、お母様、そしてお嬢様と受け継いでこられた振袖。

この度お手入れに出してくださいました。

汗などの汚れを確認していると「ん?」と思うところが。

右後袖、黒い○で囲った部分ですが

点々と何かが・・・

友禅作家の先生に確認いただくと元々は金がほどこしてあったものが取れてしまって、のりが残ってこうなっているのだろうとのこと。

胸のところもこのような感じでした。

○の部分

こちらも汚れではなく金が取れてしまっているようです。

他にもところどころあるのですが、今回は目立つ胸と袖のところを直すことに。
胸の部分、柄は衿とつながっているのですが、衿の方には元々金がほどこされていなかったようで(昔の着物には時々このようなことがあるようです)、今回のお直しでどちらにも入れさせていただくことに。

「おばあさまのおばあさまの想いがすごくこもっている振袖だから、手をかけれることはしておきたいんだと思う」とお母様。こうすることが出来ると聞いてとても喜んでくださったそうです。

昨日、丸洗いや汗抜き、シミ抜きといったお手入れが出来て参りました。これから京都の友禅作家の先生の元へ送ります。

後日またご紹介させていただきます。