2018.10.17
留袖のお誂え その4
S様の留袖のお誂えの続きです。
唐獅子を3体にして欲しいとのこと。お母様、長女様、次女様を表し、お父様の鳳凰と合わせて「家族」が描かれた留袖にという想いからです。
新たなイメージ画がこちら。
ご希望だった正倉院文様を上前(左の下)に描いたのですが、他とのバランスがどうもしっくりこない。つながりも難しい。
「では扇を描いて、その中に華紋は?」扇の中に花を描くと周りの花とのバランスが良くない。
「松を扇に変えるのは大丈夫だが、扇はよくある柄ですよね」
「あさがおはどうですか?妹が唯一入れたらと言ってたので」
ご希望や想いを伺い、その都度どうしたら良いか考えます。
そんな中、鳳凰の枠を目立たせないように枠の右下半分花を描いていたのですが、目立たせた方が良いとのことで黒くし花も変えました。
矢印のところです。細かいことですが、大きく変わってきます。
仰られることを全て入れたいというのもあるのですが、全体のバランスを考え、柄が相乗効果でお互いに引き立たせるようにしていかなければなりません。
帰り際、お持ちの本をご覧になられて、寿の字を飾り文字のようにしているのを見つけられ、これを入れたらどうかと新たにご提案がありました。
これを入れると全体を大きく変更しなければならないかもしれません。
が、やってみようと思います。
続けてご紹介させていただきます。
果たしてどのような図案になるでしょうか。