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2021.07.01

祝島を着物の柄に! 

祝島が詰まった着物

今回ご紹介するM様はご主人と奥様の思い入れの深い物を融合されました。

————-テーマ————–
・ご主人の思い入れ深い「原発反対」
・奥様ご希望の「シルクロード」

この記事では、ご希望の柄を居れた着物が仕立て上がるまでを製作段階より書いています。

着物を作りたい方もまだ考えていない方もM様の製作事例を見ることで疑似体験していただけます。

着物好きはもちろん、祝島観光予定の方の参考になるほど、沢山の資料を基に製作しています。

おかだやでは創業以来70年間、つねにお客様のご要望を第一に着物を作り続けております。培った知識と経験から「お客様の作りたい」を表現するお手伝いをしております。

ご要望に応えるため、徹底してお客様と話して、その思いが表現できるまでデザインを練り続ける作業を行います。

今回のM様の場合、原発反対という抽象的な表現の具体化のため、沢山の資料をご用意いただきました。

これらをもとに、デザイン画(元絵)に起こしていきます。50枚以上の試行錯誤の跡です。

「一番苦労した所は、上前から後身にかけて斜面松皮菱取りに大きく柄取りしたデザインだよ」(会長談)

ちなみに、松皮菱とはこんな柄です。

デザイン画をお客様に見ていただき、了承を頂いたら職人が着物へ下絵、着彩していきます。


今回はイッチン(糊を塗り固め、それを割り、割れ目に染料を流し込み染める技法)という職人技を駆使して着彩しています。

螺旋(割った貝を使い染める技法)を真似て染めるのに苦労しました!(職人談)

祝島の原発反対を表現した着物完成

出来上がった作品がこちら

ご主人の祝島への深い思いを文章にして頂きました。ご紹介させていただきます。

—————-M様ご主人の思い—————-
万葉集にも詠まれた歴史ある祝島、海と空の青に、白い練塀が映えます。生きるために築かれた棚田は、絶景で先人の叡智も感じさせます。 

かって、嵐にあい漂着した豊後伊美神社の人々を救って、教わった農耕で豊かになり、そのお礼の「種戻し」として4年に一度行われる「神舞」(山口県指定無形民俗文化財)は、勇壮な海上絵巻物と表現され、島の大きな行事になっています。

島を歩くと、行きかう人々の大らかさ優しさに、海に生きる息吹を受けます。そのことが、島の前の海に計画される上関原発を拒否し、「きれいな海を残そう」、巨大で危険なものはいらないと、38年間も反対運動をして生きていこうとしているのです。

山口県上関町の祝島を再現しています。

祝島は、気候・風土が枇杷の育成に非常に適しているのでビワの生産が盛ん。

祝島で、4年に1度、8月中旬より5日間にわたって行われ、千年以上も続く神舞という儀式だそう。

こちらは、祝島の和歌です。
おかだやを懇意にして下さる書道家、三好先生渾身の作品です。
書道が作品全体を引き立てています!

この柄は、シルクロード文様(正倉院文様)といいます。
奈良時代に見られる西域や中国の影響を受けた文様だそう。
シルクロードによる外国との交流の証なんですね。

シルクロードに石積を入れ表現しました。
祝島は石積練塀をめぐらせた集落で知られているそうです。
資料としてお持ち頂いた記念ハガキにも素敵に再現されています。

頂いた資料より祝島で生息する絶滅危惧種の「オオミズナギドリ」と「カンムリウミスズメ」を再現。

その後、試着して頂いたお写真がこちら

「素晴らしい着物だ」と大変喜んでいただきました。
幸せそうな笑顔を拝見でき、おかだや一同幸せを分けて頂きました。

ご紹介しきれなかったお写真を各種SNSで紹介しています。
より、幸せな空気感を感じていただけます。ぜひ、ご覧ください。

⇑日常着物姿記録

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